期間工は稼げる職業として有名ですが、現場で働いている人からは「あまりおすすめしない」という意見が多いです。
お金を稼げるというメリットよりも、期間工になる事でのしかかってくるデメリットの方が上回ってくるようですね。
今回は、ネット上の意見や僕が実際に先輩から言われた意見なんかをまとめて記事にしようと思います。
期間工は1日のスケジュールがぐちゃぐちゃ
工場は24時間稼働なので、2交替・3交替の勤務体制になっているところが殆どです。
日勤の週があったり夜勤の週があったりと、色々な時間軸で働かないといけないので、これがダルいという意見が多いです。
当時、僕が働いていた日産車体のスケジュールはこうなってました。
早番
- 勤務時間:6:30~14:30
- 10分休憩:8:30~、12:50~
- 昼休み:10:30~11:00(30分)
中番
- 勤務時間:14:30~22:30
- 10分休憩:16:30~、20:50~
- 昼休み:18:30~19:00(30分)
遅番
- 勤務時間:22:30~6:30
- 10分休憩:0:30~、4:50~
- 昼休み:2:30~3:00(30分)
たしか当時はこんな感じになってました。
お昼休みが30分しかない上に、食べるタイミングも微妙な時間帯なのがミソです。
この勤務体制に慣れるまでは結構大変ですし、人によっては無理が生じるかもしれません。
これが「おすすめしない:その①」になります。
期間工の仕事には将来性がない
将来性がないとう話は、先輩方からよく聞きます。
「○○君、なんでウチの会社来たの?笑」
とか
「ここの仕事先がないからね」
といった話はよく聞かされました。
なんでも、期間工として長く働くなら軽く世界を諦める必要があるみたいです(笑)
なので、時代的に必要とされる英語やら設計やらといったスキルは一切身に着かないので、そういったものを求めている人にはおすすめ出来ないです。
大手自動車メーカーだと、CMもバンバン出てるしグローバルに活動しているので、ぱっと見で英語や設計の力がつきそうなイメージがありますが、そういうのは全くないです。
意識が高い人にはおすすめ出来ないです。
期間工は年を取るとキツくなる
これは40~50代の社員さんがよく言ってました。
期間工は40代の人でも始める事は可能ですが、長く続けていくとなると話が変わってきます。
中年の社員さんがやっていけているのは、若い頃からその工場で働いていて身体が完全に適応してるからです。
又は、機械の操作や技術職(身体の負担が少ない仕事)に移行していくケースが多いみたいです。
でもこれは社員さんの話なので、派遣や期間工だと年齢が高くてもお構いなしにキツイ工程に配属されたりしちゃいます。
(この辺りは運次第)
僕が言われたのは、「年取るときつくなるから、その前に正社員になるか他所(他の会社)に行った方が良いよ」というアドバイスでした。
※一般的に、肉体労働の仕事は高給なので若い頃にバリバリ働いて早めに引退する、というのが常識になってるようです。
体に負担の大きい肉体労働の仕事の人は、体力が衰える中年以降どうするのですか?
身体を壊しやすい
「年と取るときつくなる」
これには身体を壊しやすくなる、というのも含まれています。
有機溶剤を扱う塗装課だと、有機溶剤の独特の臭いやシンナーのせいで強めの片頭痛が起こりやすくなります。
僕が見た中でも、年齢が上がるほど片頭痛が起こる頻度が高くなってたように思えます。
ロキソニン等の痛み止めが効かず、その日休む人も割といました。
あとは、車体課など身体を動かす部署で多かったのが、腰の痛みです。
腰やっちゃって暫く休む、というのはよく耳にしました。
腰を悪くする、と聞くとなんだか老人をイメージしちゃいますが、ホント前触れもなくいきなりピキィっとくるらしいです。
その時になって年を取ったな~と感じるようです。
おすすめしないポイント
長く続けようと考えてる人
肉体労働なので年と取るとしんどくなる。その仕事を長く続けるつもりなら、早めに正社員になった方がいい。いずれにせよ、非正規で長く働くのは皆さんおすすめしてなかったです。
身体を壊しやすい
年をとると身体にガタがくるようになるので、「こんな仕事長く続けるもんじゃないよ」と先輩社員からは常々言われてきました。社員がそんな事言っていいの?とは思いました(笑)
有給休暇が取りにくい
これは期間工に限らず社員もそうですが、みんな有給の取り方で頭を悩ませています。
働き方改革で労働基準法が変わり、2019年4月から有給消化が義務付けられるようになりました。
詳しい内容をしらない人でも、働き方改革は聞いた覚えがあるのではないでしょうか?
政府は2020年までに有給消化率70%超えを目指しているようで、中小企業でも有休をバンバン使っていかないといけない時代になりました。
それで、有給消化率が会社の成績として評価されるようになっているので、自動車工場のような大手メーカーは従業員に有給を取らせようと躍起になっています。
他にも、期間工の待遇についても変わってきていて、厚生労働省のHPから抜粋すると
こんな感じにで、正規と非正規に責任や職務内容の違いがない場合は、正社員と同じ待遇にしなくてはならなくなりました。
なので、期間工の人もガンガン有給を消化しよう、となっています。
働き方改革は他にも色々な変更があって情報量が多いので、興味がある人は厚生労働省のHPを見て見てください。
年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 - 厚生労働省
それで、なんで有給が取りにくいのかというと、自動車工場の場合、人手に余裕が無いので誰かが休むと周りの負担が大きくなります。
空いたところ(工程)には社員なりリーダーなり余裕がある人が入る、というのが筋ですが…みんな普通に嫌がります(笑)
なので、優先的に有給を消化するのは正社員で、期間工の人は二の次になっているというのが現状です。
また派遣社員は会社が違うとの事で、期間工の人よりも有休が取りにくくなってます。
こんな感じで、「有給が取りにくい」というのがおすすめしないポイントです。
恐らく、他の業界だったら働き方改革のお陰で以前よりも働きやすい環境になっているのかもしれませんが、期間工の現場ではまだ改善が進んでいない感じです。
長年のベテラン社員さんで、有給が数十日分溜まっていた人なんかはめっちゃ喜んでました(笑)
おすすめしないポイントまとめ
期間工をおすすめしない内容をまとめると
- 時間軸がばらばらで大変
- 将来性がない
- 年を取るときつくなってくる
- 有給休暇が取りにくい
といったようになります。
期間工の給与は結構高めなので、こうしてみると短期間でお金を貯める為に働くというのが賢い選択だと思います。
逆に長く続けようと考えている人は、身体を慣れさせる為に20~30代の内から働き始めて、なるべく早い段階で正社員になる必要があると言えます。
先輩から色々な言葉をもらいましたが、「キツイからおすすめしない」というのはあまり聞かなかったですね(若い人に向けて)。
"仕事は何処も大変"という考えがあるのと、期間工は稼げるというのは事実なので、「稼げるし多少キツイのはok」という感じなようです。
どうしても稼ぎたい!という人には、期間工はおすすめ出来る職業だと思います。