僕は日産で派遣社員として6~7か月間ライン作業の仕事をしていました。
その中で辛かった部分をまとめて紹介します。
工場勤務自体が辛い仕事であるので、辛い部分なんて数えきれないほどありますが、特に辛かったヤツだけピックアップしてます。
楽な工程には長くいられない
「楽な工程が多い部署」という所もあり、そこに入れた人はラッキーですね。
例えば、ハードな工程が何個もあってその中に楽な工程が1つ2つあったとします。
この時、この楽な工程というのは主に「新人(初心者)」や「女性」、「身体を壊している人」、「無能の烙印を押された人」のポジションになっています。
なので普通に働いていると「じゃあ次の工程お願いします」という感じで、さっさと楽な工程から追い出されてしまいます。
現に無能な人にハードな工程を担当させると結果的にラインが止まる事になるので、会社的には大赤字になっちゃいます。
それならラインを止めない為にも、簡単な工程をやってもらった方が良いですよね
こんな感じで、普通の人が楽勝な工程に長く留まれるケースは少ないんじゃないかなーと思います。
実際僕も、一番最初は楽な工程を担当させてもらいましたがすぐに追い出される事になりました。
赴任当時は工場未経験だった為、楽な工程になって心底神様に感謝しましたが、間もなく工程変わる事になって普通に絶望しました(笑)
若い人はどんどん仕事を覚えさせられる
特に20~30代前半までの人は、ガンガン仕事を覚えさせられます。
人によってはコレがストレスになる事もあるでしょう。
将来的に考えると得かもしれませんが…
しかしお金目的で働いている訳ですから、ある程度淡々と、そしてさっぱりと日々の仕事を終えて帰宅したいものです。
忙しさはある程度で良いんです。それ以上にガンガン指導されると毎日天手古舞で大変です。
会社側としては、やはり若い人にはマルチに働ける人材になってほしいというのがあるのでしょうね。
また、配属初期の僕の心は、自動車工場という大きな所で働けている!という事が誇らしくて、雑魚なりに「やりがい」や「使命感」を感じていました。
その為、指導員から「将来正社員考えてる?」と言われた時に、思いっ切り「YES!」と答えたんですが、思い返せばこの頃からガシガシ指導されるようになりました。
本音でいうと、ネガティブな返事をしたら気を悪くさせてしまうと思ったので、それなら気持ちが良い返事の方が良いかなっと思って…結果、めちゃめちゃ大変でした
あの時もっと上手い返事が出来ていれば、もっと楽になれたと思います。
やる気アピールは後々逆効果になるかもしれない…!
避けては通れない人間関係
仕事をする上で人間関係の問題はいつも傍らにあるものです。
避けて通れるケースはほぼゼロなんじゃないでしょうか。
工場には色々な地域から人が集まっていて、ストレスも溜まりやすい場所なのでちょっとした事でキレられます。
僕が切れられた事例
同期「○○さん、ちょっとオレPC入力して帰るから先帰ってていいですよ」
オレ「あ、分かりました。お先に失礼しますーお疲れ様です」
翌日出勤時
オレ「おはようございますー」
同期(ガチギレした様子)「………」
同期(ガンつけながら)「おい…今日から仕事終わりのPC入力全部お前がやれよ」
オレ「・・・??」
こんな事もありました。
今でも笑っちゃいますね。同期に言わせると、先に帰ってていいっていうのは建前なんだから、普通に手伝ってほしかったようです。
なら普通に手伝えって言えよ…本音を暗号化する意味が僕には分かりませんでした。
こんな風に背後からスパナで殴られるような、強襲染みたガチギレかまされるのはもう嫌だったので、その日から仕事終わりのPC入力は僕が全部担当しますと伝えました。
この返事で満足したのか、次の日からすっかり機嫌がよくなり2人でPC入力を済ませ帰るっていうのが日課になりました。
ホント色々な人がいるぜ…。
昼夜逆転のせいで生活のリズムが作れない
工場は24時間稼働なので、早番(日勤)と遅番(夜勤)が存在します。
日勤だけの人、夜勤だけの人、とは分かれておらず日勤の週→夜勤の週→日勤の週という感じで、ローテーションでシフトが組まれています。
この為、生活のリズムが全然作れず暫くの間は相当ストレスになります。
期間工は慣れるまでが大変だとよく聞きますよね。
逆に慣れてしまえばある程度余裕を持って作業が出来、中には頭で全く別の事を考えながら作業出来る人もいたりします。
ただし、慣れるまでは体力使い続ける事になるので、身体はボロボロです。
湯船に浸かったりしてあの手この手で疲労軽減に努めますが、昼夜逆転の生活が疲労の回復を妨げます。
夜勤上がりは外が真昼間なので、なかなか熟睡出来ず何度も目が覚めてしまいます。
これのお陰でなかなか疲れが取れません。
月曜から土曜に掛けて疲れはどんどん溜まっていきます。木曜金曜辺りの疲れがヤバいです。
結局、この生活リズムについても慣れてしまえば大丈夫になってくるらしいです。
職場の人達は慣れてる人が多くて羨ましかったですね。僕は3年間日産で働いていましたが、結局最初から最後まで生活リズムを整える事は出来ませんでした。
最終的にはちょっとだけ慣れる事が出来てストレスを感じる事はなくなりましたが、完全に適応することは出来ませんでした。
夏は灼熱地獄
工場では作業中の服装が決まっており、車体課は基本厚着なので汗の量が半端じゃないです。
塗装課も服装自体は薄着ですが、施設の仕様上締め切りが基本+大型の乾燥炉やボイラーが中にあるので塗装課も夏はヤバいです。
汗を上手く逃がすことが出来ないので体調も悪くなりやすいし、量も半端じゃないのでこまめに水分補給しないと危ないです。
なので身体の強さに関係なく、水分補給ミスった人はバタバタ熱中症で倒れていきます。
僕がいた日産は夏季になると自販機の値段が軒並み安くなりますが、毎日結構な量の水を飲むので自販機を利用しちゃうと高く付きます。
なので、皆スーパーで安く買ったミネラルウォーターや自家製の麦茶等を持ってきてました。
もし誰かが熱中症や夏風邪で離脱したら、その分他の人の負担が増えるので負の連鎖が始まります。
僕の部署でも普通に何人かダウンしていました。
お陰様で僕もかなり鍛えられて、身体が丈夫になったのか最初の夏が過ぎてからは前みたいに疲労困憊になる事は少なくなりました。
夏から期間工を始める人は、水分補給には十分注意してください。倒れちゃって仕事休んじゃうと手当や入社祝い金がもらえなくなる可能性が出てきます。
繁盛期が思った以上に大変
1年の中で生産が集中する時期があって(大体夏と冬)、その時期になると休出が当たり前になってくる上1日の生産台数も増えるので身体もしんどくなります。
最初は、「おっ、稼げるじゃんラッキー♪」という認識だったのですが、休出が当たり前になってくると身体の回復が追っつかなくなって、結構ウンザリしてきます。
日曜だけじゃ全回復出来ず、先週の疲労を借金として抱えて働いて、その週の疲労をまた来週へ持ち越し。
みたいなサイクルになると、日が経つにつれて鬱ってきます。
期間工としての山場と言ってもいいんじゃないでしょうか。
繁盛期抜けると精神的にも肉体的にも楽になって、お気楽期間工ライフが始まります
今まで超特急で駆け抜けてた分、普段の生産ペースに戻った時「あれ?結構楽じゃね?」って感覚になります(笑)。
蓄膿症になって苦しんだ話
工場で働き始めて2~3か月くらい経った頃、軽く風邪を引きました。
鼻水が軽く垂れてくる程度だったのですが、当時僕がやってた工程は細かい作業が幾つかあって下を向きながらやる作業だったので、鼻水が垂れてくると全然集中出来ずミスしたりしてました。
これにイライラして我慢できなくなって、思いっ切り鼻をかんでました。
思いっ切り鼻をかめば、一時的にですが超スッキリしてスースーするのでストレスが無くなります。
再び作業に集中出来てミスもしなくなりました。
これで味を占めて、それからというもの少しでも鼻水が出てきたら思いっ切り鼻をかんでました。
蓄膿症になったことある人ならもうお分かりだと思います。
僕もめでたく蓄膿症になりました。
蓄膿症とは:
別名「慢性副鼻腔炎」とも呼ぶようです。
鼻の奥が炎症を起こして、そこで細菌やウイルスが増殖して膿が溜まっていきます。
膿が溜まると酷い頭痛がして熱が出ます。
膿が溜まりだすと自然治癒では殆ど治りません。特徴的なのは、赤茶色の臭い鼻水が出るようになります。
この鼻水は鼻炎カプセルとか飲んでもなかなか止まりません。
この時は最悪でした。
入社祝い金もまだ全額貰ってなかったので、休む事だけは絶対にしたくなくて根性だけで仕事してました。
頭痛酷いし、何より鼻水が酷くて一切集中出来なかったので、ミスるのが心配でめっちゃストレス抱えながら働いてました。
夜間病院に通って抗生剤飲みながら徐々に治していったんですが、本当に苦しかったです。
同じ経験をするのはもう二度とごめんだと思い、その後からは健康管理に一層気を使うようになり、退社するまで無遅刻無欠勤を貫き通す事が出来ました(唯一の自慢)
鍛えられたと感じた部分
苦しい時期を経験した事で、自己管理が大切だなーと気付きました。
対人関係は運の要素が大きいのでどうにもなりませんが、それ以外の部分では自分をどれだけ労わってあげるかがカギになってると思います。
あんまり根性論で突っ走ると、後々大変な事になるかもしれません。
とはいえ、自己管理を頑張れば地獄から抜け出せるのか?と言われればそれは難しいですね。
期間工として働く以上、根性で乗り越えるしかない場面はやっぱりあると思うので。
ただ僕は、自己管理能力は結構鍛えられたんじゃないかなーって思ってます。
なるべく自分を労わって無理のない期間工ライフを送っていきましょう。
疲労骨折した先輩の話については別の記事に書いてるので良かったら見てみて下さい。